墨田病院 治験
墨田病院 治験 /概要
墨田病院は、約80名の専門のスタッフを抱える治験専門病院です。
1989年東京に開設した西台診療所、1997年に臨床薬理の専門医療機関として開設した大崎クリニックを経て、2007年より現在の場所に開設されました。
短期から長期まで幅広く、高齢者向け、女性向け、外国人治験もあり、韓国で行われる治験の事前検診もこの施設で実施されています。
基本情報 | |
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名称 | 医療法人相生会 墨田病院 |
治験担当 | 臨床薬理センター(http://www.lta-med.com/rinsho-yakuri/) |
住所 | 東京都墨田区本所1丁目29番1号 ランダムスクウェア本所ビル |
参加方法 | 臨床薬理センターで予約登録後案内されるサイト(http://www.rinsho.or.jp/)に詳細日程記載 他、生活向上WEB、JCVN、CVS経由でも申し込み可能 |
謝礼 | 18,000円/泊前後 |
交通費+カロリーメイト(ハーフサイズ) | 3,000円 |
アクセス | 都営浅草線・大江戸線「蔵前」駅より徒歩10分 |
部屋 | 3部屋×2フロア、基本は10~20人収容の大部屋、カーテン使用不可 |
食事 | 外注の仕出し弁当、和洋いろいろ、朝食は軽食 |
スタッフ | 多い、若い |
院内着 | あり |
休憩室 | デイルーム2部屋(各フロア)、ウォーターサーバーあり |
PC・ネット環境 | 既設PC4台(各フロア)(スペック低し)、無線LANあり、有線LANあり |
風呂・シャワー | 4(各フロア)時間予約制、風呂あり |
ランドリー | 洗濯機2、乾燥機3(各フロア) |
アメニティ | 歯ブラシ、スリッパ、シャンプー、リンス、ボディソープ、ドライヤー |
娯楽 | マンガ雑誌千冊以上、新聞、テレビ2台(各フロア)、DVDゲーム機 |
留置針 | 基本使用 |
墨田病院 治験 /良かった点・残念だった点
墨田病院の治験の良かった点
- 食事が良い
- お風呂がある
- 協力費の+αがお得感がある
- 休憩室が広い
- 看護師が若くてかわいい
まず、食事は完全に外注でバラエティーに富んでます。
お弁当ですが基本、どれもおいしく、釜飯が特別メニューで名物みたいになっています。
お風呂は、シャワーのみルームと浴槽付きルームがあります。
シャワー時間割り当て表(15分刻み)に、被験者各自が空いてるところに予約していくシステムですが、湯船があるのはありがたいですね。
協力費の基本的な部分は、相場とあまり変わらない印象で、1泊あたり1.8~2万円程度です。
ただし、+αの部分がかなり豪華です。
急募で来てくれた人で治験完了したら+1万円!とか、通院のときに高額クオカード当たる抽選会したり、巨大病院なので太っ腹です。
休憩室もかなり広いのはさすがは治験専門施設といったところです。
いつも同時に別の試験も進行しており、パソコンとwi-fiもあります。
また、看護師さんは20~30代中心で若々しく、かわいい看護師さんも多く明るい雰囲気でした。
墨田病院の治験の残念だった点
- 事前検診の時間が長い
- 騒々しくて落ち着かない
- 隣のベッドとの間に敷居がなかった
いくつも試験が重なるからなのもありますが、手際があまり良くなく、事前検診の時間は他施設よりかかった印象です。
また、ベッドルーム、デイルーム、ナースステーションがつながっている為か、妙に騒々しく落ち着かない時がありました。
また、私が入院した時は隣のベッドとのしきり用カーテンが使用禁止で、寝るときもしきりがありませんでした。
これは今では改善されているそうですが、他が良かっただけに非常に残念に感じました。
墨田病院 治験 /入院から退院までの流れ
実際に私が墨田病院の投薬の治験に参加した時の流れをご紹介します。
墨田病院には独自の治験申込HPがあるのですが、生活向上WEBやJCVN、VOBなどの治験の紹介サイトを通さずに直接申し込むこともできます。
今回は治験の案件を紹介してくれるサイト、「JCVN」から申し込んで採用されました。
「JCVN」は疾病を持っている人のモニターが多く、自分が条件に当てはまれば比較的にライバルが少ないので、墨田病院の治験モニターも落とされる事がほとんどない印象です。
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今回の治験の内容 | |
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期間 | 入院3泊4日+通院4回 |
内容 | 投薬(錠剤を飲んで測定・採血) |
報酬 | 計16万円 |
事前検診
まず事前検診を受けて、その1週間後くらいに合格したか発表があり、無事通過しました。
合格発表時に、自分が本試験予定者か、予備者かを伝えてくれますが、今回は本試験予定者だったので、当日の検査で異常がない限り最後まで参加することができます。
入院初日
【13:00】集合・スクリーニング検査
入院初日は13時集合でした。
当日は12名の方が来る予定(本試験予定者10名+予備2名)だったのですが、2名がドタキャンしたため、集合場所には10名の男性が集合していました。
この10名のうち8名が本試験に参加、2名が投薬前に帰ることになりますが、ドタキャンのおかげで参加できる確率が上がります。
しかも、事前に予備者が決まっているため、初日の検査と2日目の投薬前検診で異常がない限り最後まで参加できます。
14時頃から、事前検診と同様、採血・心電図の測定・採尿・体重測定がありました。
その後、入院における注意事項などの説明があり、受付時点で早いもの順にシャワータイムを30分ごとの枠を予約します。
17時にはパジャマに着替えてベッドに入りますが、入院初日はこの後何の予定もありません。
【18:30】シャワータイム
夕飯の前後になるとシャワータイムがあります。
貼りだされた予約表を見ながら各自でシャワーに向かいます。
シャワーは2室あり、そのうち1室には浴槽もあります。
制限時間は1人30分なので湯船につかることもできます。
シャワー室にはシャンプー・リンス・ボディソープ(いずれもメリット)が用意されており、シャワー室横の洗面台には洗顔フォーム(ビオレ)も完備。
早めの時間を予約していたのでシャワー室の中もそれほど汚れておらず清潔で、快適な入浴タイムでした。
【19:30】夕食
19:30から夕食の時間です。
夕食はハンバーグの弁当でした。
さすが病院が出すお弁当だけあって若干薄味ですが、非常に美味しかったです。
ただ、量は若い男性には少し物足りなく感じる人もいるかも。
今日の食事はこれで終了ですので、できる限り満腹になるよう、いつも以上によく噛んで食べました。
【16:30~23:00】自由時間
あとはお風呂に入って夕食を食べて寝るだけですので、消灯の23時までは自由時間。
ロビーに机とイスが20ほど用意されていましたので、私はそちらでスマホをいじっていました。
無線LANも用意されているのは嬉しいですね。
他の人達は、ほとんどの方がベッドで漫画を読んでいました。
墨田病院は漫画のラインナップが豊富な事でも有名です。
ロビーの机・イス・テレビも自由に使えるのですが、私以外の人達はずっとベッドの上にいます。
私はスマホいじりに飽きてテレビでも見ようかなと思ったのですが、寝ている人もいたのでテレビは見ませんでした。
【23:00】消灯
消灯は全日23:00です。
23:00になると看護師さんが見回りに来られ、明日のスケジュールの説明があって電気が一斉に切られます。
私は元々夜型な上にもともと誰かと同じ部屋で寝るのが苦手なタイプなので、なかなか寝付けず。
しかも、隣のベッドの人のいびきがうるさいのはきつかったです。
深夜にようやく就寝しました。
2日目(投薬日)
【6:30】起床・投薬前検診
2日目は朝の6:30起床でした。
朝起きると、まずは全員強制的に水を飲まされます。
実は、治験入院中は常に「何時から何時までの間に麦茶○杯~○杯飲まなければならない」というルールがあります。
入院中は無理やり何杯も飲まないといけないため、結構大変でした。
水を飲んだ後は、すぐに採血と心電図・脈拍測定があり、最終的に投薬されるかどうかが決まります。
また、この採血で腕に留置針が刺されます。
留置針とは、あらかじめ採血用の針を腕に刺しっぱなしにしておくことで、以後採血をするたびに針を刺さなくてもよい、というシステムです。
手首のちょっと上あたりに刺されるのですが、慣れないとちょっと痛いです。
検診の結果、無事投薬を受けられることになりました。
予備だった2名はここで薬を飲まずに帰宅になります。
【8:00】投薬
投薬は8:00からスタートです。
なお、投薬日の朝食は抜きです。
投薬の時間は秒単位で決まっており、名前があいうえお順の若い方から1人ずつ2分おきに投薬されます。
薬は3錠ですが、一般的な市販薬の2倍くらいの大きさなので結構飲みにくいです。
特別に用意された机で、担当の医師の目の前で一粒ずつ飲み込みます。
周りには医師(もしくは製薬会社の人?)が8人くらい見守っているため、幾分緊張します。
3錠飲んだ後は、ちゃんと3粒とも飲んだか(隠し持っていないか)、別の医師から口の中を細かくチェックされます。
投薬後は、頻繁に採血と心電図・脈拍測定を繰り返しますが、この測定も全て分単位で決められており、看護師さんが時計を見ながら実施されます。
留置針が刺さりっぱなしなので、採血は簡単で全く痛くないのですが、留置針自体がずっと痛かったです。
何もしなくても常に誰かからつねられているような感覚でじわじわきて、、ちょっと手首を動かすと骨のほうからズーンという痛みがきます。
午前中は測定されている時以外は全て自由時間なのですが、頻繁に測定がありバタバタしているのであまり時間はありません。
それと、投薬後は尿を一滴残らず全て提出しなければなりません。
尿をボトルにためて、ボトルに自分の治験番号が書かれたシールを貼り、時間書いて看護師さんに提出します。
提出の際はナースコールで看護師さんを呼んで、必ず対面で提出します。
尿を採るのは結構面倒ですし、女性の看護師さんに自分の尿を渡すのは恥ずかしいのでできればトイレに行きたくないのですが、強制的に水分を取らされるので何度も通うことになりました。
【13:00】昼食
13時から昼食ですが、この日はなんと今半のすき焼き弁当でした。
とても美味しかったのですが、朝食抜きでめちゃくちゃお腹がすいていたという事もあり、やはり量が物足りない・・・。
出てきたのはコンパクトなお弁当で、おいしいのですが、全く足りません。
よく噛んで味わいながら食べました。
【19:30】夕食
昼食後は採血や心電図・血圧の測定を繰り返しながら、あいだの時間は自由時間です。
ただし、シャワータイムは無しです。
夕食は19:30。
メニューは鯖の味噌煮のお弁当でした。
この時間になると測定のペースも緩やかになり、ちょっと時間ができ始めます。
テレビがついていましたが、見ているのは2人だけ。
他の皆さんは相変わらずベッドで漫画を読んでいます。
【23:00】消灯
消灯は2日目も23:00でしたが、深夜1:00に最後の採血があるため、その時間に一度起きなければなりませんでした。
といっても採血は横になったままほとんど看護師さんがやってくれますし、留置針のおかげで痛くも無いので、半分寝ながら終わるので特に苦痛ではありませんでした。
3日目
【8:30】起床・測定
3日目は8:30起床なので2日目よりもよく寝れました。
9:00からまた採血と心電図・血圧の測定です。
この採血が終われば、やっと留置針とお別れです。
私は3日目になってもずっと微妙な痛みが続いていて、これだけは本当に辛かったです。
【10:00】朝食
思えば、入院中で初めて食べた朝食ですが、おにぎりが3個だけ。
段々小食にも慣れてきました。
朝食後にはイベントはありませんので、ずっと自由時間です。
皆さん、相変わらずベッドで漫画を読んでいます。
【13:00】ラジオ体操・昼食
なぜかお昼ご飯の前に突然ラジオ体操の音楽が流れてきました。
入院中は運動が全くできないので体がなまってたのでちょうど良かったです。
ラジオ体操が終わるとそのまま昼食です。
ここで名物の釜飯が出ました。
量は少なめでしたがとにかく美味しかったです。
昼食後はひたすら自由時間です。
【17:00~】シャワータイム
2日目と違って、3日目はシャワーに入れました。
予約は勝手に決められます。
私は結構早い時間の予約になっていました。
1日ぶりの入浴のため、気持ちよかったです。
【19:30】夕食
3日目は初めてお肉がガッツリ出ました。
味は薄めでしたがなんとしょうが焼き!
久しぶりの豚肉に感動しました。
【23:00】消灯
消灯はこの日も23時。
3日目になるとさすがに環境に慣れてきて、この日はぐっすり眠れました。
最終日
【8:30】起床・測定
いよいよ最終日。
9:00から採血、心電図・血圧の測定があります。
看護師さんとも少しずつ顔見知りになってきましたので別れが惜しい・・。
【9:30】朝食
採血などが全て終わると、朝食です。
最終日の朝食はBOXタイプのサンドイッチで量はそこまで多くなかったのですが、結構お腹いっぱいになりました。
入院中に胃が縮んだのかもしれません。
【11:00】退院
食べた後はいよいよ退院の準備。
まずは次の人のためにベッドのシーツを交換して、パジャマから私服に着替えます。
そして、朝に実施した採血や心電図・血圧の測定に問題がないか、ロビーで待機して結果を待ちますが、その間に今後のスケジュールについて説明があります。
今回の治験は、退院した後も何度か通院しなければならないタイプなので、入院時と同じように採血や各種測定のスケジュールが分単位で決まっているそう。
遅刻をしないようにしつこく注意されます。
ちなみに、今回は集合時間が8:00と早く、絶対に遅刻できないことから、不安な人は前日に来て病院に泊まることができます。
私も朝弱いため悩みましたが、もう病院食にちょっとうんざりしていたので今回は帰ることにしました。
結構待たされて、11:00頃に、全員問題無しとの結果が出て解散になりました。
通院
退院した後、通院が計4回ありました。
最初の3回は、入院中に何度も実施した採血、心電図と血圧の測定を行った後、結果に異常が無ければ解散という流れです。
入院中と同様、スケジュールが分単位で決まっているので、絶対遅刻できないので、電車の遅延などに備え、だいぶ早めに出発しました。
また、遅刻防止のため、家を出発したときに墨田病院に電話をして、出発した旨を留守電に入れなければならないのが面倒でした。
最後の4回目の通院は採血などは無く、体調に問題が無いかの問診のみでした。
協力費の振込
協力費は最終通院日から2週間後くらいに指定の銀行に振り込まれました。
今回は16万円ほどだったので、正味5日のバイトとして考えると金額的にはかなり美味しいと感じました。
苦痛を伴う治験内容ではなく、施設もきれいで対応もしっかりしていたので私としては大変満足でした。
ただ、治験は1年間に参加できる回数が決まっている(一度参加すると3~4ヶ月は次の治験に参加できない)ので、4ヶ月に1回16万円と考えてしまうと物足りないかもしれません。
なので、治験を収入の一部として考えている人は、入院期間がもっと長い治験を選ぶ方がいいです。
1週間程度の入院の治験であれば、30万円程度の協力費がもらえるものも結構見つかります。
墨田病院 治験 /注意点
副作用が出たら2度と参加できない
程度によりますが、入院中に何かしらの症状が出ると墨田病院の治験は2度と受けられません。
実は、私は何度か墨田病院の治験を受けていましたが、ある治験薬投薬後に症状が出たのです。(詳しい症状は書けませんが)
生活に支障でるほどではなかったのですが、別の大きい病院にいったり結構長引いて、数回あった墨田病院の通院時にもいろいろ症状報告したりしてかなり面倒くさかったです。
そして、最後の通院時に、治験コーディネーターから「次入院したとき、もし症状でたら困るでしょう?(もう来ないで)」と言われ、これが墨田病院最後の治験となりました。
治験薬に反応出る人より出ない人のほうが都合いいのも分かりますし、選ぶのは病院側なので納得するしかなかったのですが、ちょっと寂しく感じました。
副作用と認められず補償は無かった
治験薬投薬後の入院中に症状が出たものの、副作用とは認められませんでした。
別の病院にいき、費用もかかりましたが、これについても一切の補償は無し。
症状の内容や症状が発現した時期が、明らかに治験薬と関係ありそうと自分が思ったとしても、結局決めるのはお医者様なのです。
治験担当医師に「この症状は治験薬とは関係ありません」と言われたらそれまでです。
それでも食い下がるなら弁護士に相談して訴えるくらいしか方法が無いのですが、費用対効果を考えると引き下がるしかありませんでした。
墨田病院の治験で被験者死亡?
実は墨田病院の治験は死亡者が出ています。
2019年6月、被験者男性が抗てんかん作用薬の治験終了後に、電柱から飛び降りて死亡しました。
エーザイ株式会社(以下、「エーザイ」)は、医療法人相生会の開設する墨田病院に依頼 し、抗てんかん薬候補物質である E2082(以下、「本件被験薬」)の国内第I相試験として のヒト初回投与試験(以下、「本件治験」)を実施した。かかる本件治験に参加した 20 歳代の健康な日本人男性(以下、「本件被験者」)が、被験 薬の投与完了から 5 日目である 2019 年 6 月 25 日に電柱から飛び降りて脳挫傷を負って死 亡した。
引用元: 薬害オンブズパースン会議
男性被験者は6月12~20日までの10日間、治験薬15mg/日の投与を受け、予定通り6月24日午前に退院。
しかし、同日の午後、規定外で相談に訪れて、顔色が青ざめ、酷く怯えた様子で、退院後帰宅したが不安感に襲われ再来院したと看護師に訴えたそうです。
しかし、治験責任医師は、幻視・幻聴を被験者が理路整然と説明するなど言動に異常がなく、眼振等の症状もなかったことから入院の必要はないと判断し、次回来院日を確認して帰宅させて、被験者はその翌日午前8時に電柱から飛び降り、死亡しています。
墨田病院は大病院で、同時に2~3案件の治験を進行していることが常で、ベッドもかつかつだったりします。
つまり、とにかく追加入院などしたくない体質があるのは事実です。
治験を安全に遂行するのではなく、何事もなく治験終了したという外観をつくるのが目的になっているきらいがあるのが、今回の被験者死亡という悲劇につながってしまったのかもしれません。
ただ、この事故の後、厚労省主導の調査機関による調査と指導が入っていますのである程度は改善されていると思われます。
それでも不安な方は、メンタル系の投薬の治験には参加しない方がいいかもしれません。
報酬は大きいけど、やはり治験にはリスクもある事は理解した上で参加するようにしましょう。